この記事では、社会科学の知識が乏しいブログ主が、勝手に考えた社会科学っぽい理論を殴り書きします。
物理学関係の記事と違って信憑性は薄いのでご注意ください。
社会の中における人間の影響力について考察してみたいと思います。
今回は第4回目です。
影響\(E\)はひとまず関数ということにしたい
前回の記事で、影響\(E\)は行列と見なせる、と書きましたが、なんとなく行列でなくベクトル関数\(E(\vec{a})\)ということにしておいたほうがよさそうな気がぼんやりとしてきたので、やはりひとまずベクトル関数ということにさせてください。
つまり、
\(\vec{a_B}=E_{A→B}(\vec{a_A})\tag{1}\)
のような感じです。
お願いします。
(殴り書き記事なので許してください。)
被影響者は不満した欲求を満たすような行動計画を立てる
- 「メンタル」からどのような「行動」が生まれるか?
上記の問題が前回の記事で残っていた課題の1つです。
これを考えたいです。
まず想像を働かせてみます。
影響者の行動を見て、被影響者のメンタルは、ひとことで言うとどう変わるか?
例えば、好きな芸能人が髪を赤色に染めたのを見て、被影響者は、「自分も髪を赤色に染めたい」という「欲求」が生まれるのではないでしょうか?
つまり、被影響者のメンタルは「欲求不満」の状態になるといえるのではないでしょうか。
そして、被影響者は不満した欲求を満たすため、「まず美容院の予約を取って、翌日美容院に行って髪を染める…」という「行動計画」を立てるということになると。
このような過程ではないでしょうか。
つまり「メンタル」からどのような「行動」が生まれるか? という問いの第1の答えとしては、「不満した欲求を満たすような行動計画を立て、それにしたがって行動する」となります。
被影響者は「効用」を最大化する行動計画を立てようとする
では、「不満した欲求を満たすような行動計画」はどんなものでしょうか?
被影響者の気持ちになって考えると、不満した欲求を完全に満たすような行動計画が立てられるなら、そうするでしょう。
いや、もっと言うと、不満ぶんを満たすだけでなく、さらに欲求がプラスに満たされるような (=楽しい?) 行動計画を立てようとするのではないでしょうか。
「不満した欲求を完全に満たすような行動計画」が見つからない場合はどうでしょう。
この場合は、なるべく欲求のマイナスぶんが少なくなるような行動計画を立てようとするといえるのではと思います。
ここで別の言葉を使ってみましょう。
被影響者は「効用」を最大化するような行動計画を立てようとする。と。
「効用」とは、被影響者にとってプラスの心理状態のことです。
つまり「メンタル」からどのような「行動」が生まれるか? という問いの第2の答えとしては、「効用を最大化するような行動計画を立てようとし、行動計画を立てたらそれにしたがって行動する」となります。
…時期尚早かもしれませんが、このことはもしかしたら「影響力理論の第1法則」とでも呼べるのではないでしょうか? とも思ったり。
【仮】影響力理論の第1法則
被影響者は効用を最大化するような行動計画を立てようとする。
ちなみに「立てる」ではなく「立てようとする」という言い回しのほうがいいと思っています。
なぜなら、人間の知能は有限なので、神のみぞ知る、真の「効用を最大化する行動計画」を見つけることができるとは限らないからです。
あくまで被影響者はそのような行動計画を「立てようとする」だけです。
行動は非可換の場合がある
行動はどんな順番でも取れるわけではありません。
例えば、「髪を赤色に染める」を行った後に、「スキンヘッドにする」を行うことはできますが、その逆、「スキンヘッドにする」を行った後に、「髪を赤色に染める」を行うことはできません。
(髪はまた生えてくるじゃん、ということは今は置いておいてください。)
つまり、行動はある順番だったらできるが、ある順番ではできない、という場合があると言えるでしょう。
量子力学で演算子が作用する順番が変わると結果が変わることを「非可換である」と言うことから連想して、上記のことを、「髪を赤色に染めるという行動と、スキンヘッドにするという行動は、非可換である」と言うことにしたいと思います。
(何だかちょっとかっこいい。)
さて、被影響者は、当然ですが、「スキンヘッドにしたら髪を赤色に染めることはできない」ことくらい想像できるでしょう。
ということは、被影響者は「スキンヘッドにする」と「髪を赤色に染める」の両方をどうしても短期間のうちにやりたい場合、必ず「髪を赤色に染める」→「スキンヘッドにする」の順番を取る、と言えるでしょう。
要は、被影響者は、行動の非可換などに起因する”明らかな障壁” (= スキンヘッドにしたら髪を赤色に染めることはできない) は避けた行動計画を立てる、と言えるのではないでしょうか。
\(\vec{a_A}\)と\(\vec{a_B}\)が完全に競合する場合を考察
前回の記事で、\(\vec{a_A}\)と\(\vec{a_B}\)が完全に競合する場合は、Cさんは\(\vec{a_A}\)と\(\vec{a_B}\)のうちどちらか1方を選ぶだろう、と言いました。
これを上記の「効用」と「障壁」という概念を用いて考察してみます。
\(\vec{a_A}\)と\(\vec{a_B}\)が完全に競合しているということは、Cさんは、
- \(\vec{a_A}\)を行った後に\(\vec{a_B}\)を行うことができない。
- \(\vec{a_B}\)を行った後に\(\vec{a_A}\)を行うことができない。
ということです。つまり、Cさんの行動には上記のような「障壁」があるということです。
Cさんは上記の「障壁」を避けつつ最も「効用」が高くなる行動計画を立てようとします。
Cさんは\(\vec{a_A}\)を行った場合にどんな気持ちになるか、\(\vec{a_B}\)を行った場合にどんな気持ちになるか、などを想像します。
そして、想像した結果、\(\vec{a_A}\)のほうが効用が高いと判断した場合は、\(\vec{a_A}\)を行う行動計画を立てる。
\(\vec{a_B}\)のほうが効用が高いと判断した場合は、\(\vec{a_B}\)を行う行動計画を立てる。
その結果、「Cさんは\(\vec{a_A}\)と\(\vec{a_B}\)のうちどちらか1方を選ぶ」という行動となって現れるということになる、と説明できます。
では、ここまでの理論を使って、「部分的に競合している場合」は、どのような行動が生まれるか? ということを説明できるでしょうか。
次回これを考えていけたらと思います。
やや短いですが今回はここまでにさせていただきます。
読んでくれてありがとうございました。
まとめ
- やはり影響関数\(E\)は行列ではなくベクトル関数\(E(\vec{a})\)ということで話をさせてほしい。
- 影響者からの影響を受けて、被影響者のメンタルは「欲求不満」の状態になる。
- 被影響者は不満した欲求を満たすため、「効用」を最大化するような「行動計画」を立てようとする。行動計画を立てたら、その通りに実行しようとする。(影響力理論の第1法則?)
- 人間の知能は有限なので、いつも真の「効用を最大化する行動計画」を見つけられるわけではない。
- 「スキンヘッドにする」を行った後に、「髪を赤色に染める」ことができないように、行動と行動が「非可換」の場合がある。
- 行動の非可換に代表されるように、行動には「障壁」がある。行動者は明らかな障壁は避けた行動計画を立てる。
- \(\vec{a_A}\)と\(\vec{a_B}\)が完全に競合する場合のCさんの行動が、「効用」「障壁」の論理から、「\(\vec{a_A}\)と\(\vec{a_B}\)のどちらか1方を選んで実行する」となることを説明できる。
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